「ホスピスの看護師って、実際どんな1日を過ごしているの?」
急性期病院との違いが気になって、転職をためらっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ホスピス型施設で管理職として働く現役看護師のあまねが、日勤・夜勤のリアルなスケジュールと、急変・看取りの実態を解説します。
日勤のスケジュール(8:30〜17:30)
| 8:30 | 出勤・申し送り |
| 9:00 | 居室巡回(バイタル測定・処置・投薬) |
| 12:00 | 休憩 |
| 13:00 | 午後の巡回・往診対応・フリー業務 |
| 16:30 | 申し送り・退勤 |
一人ひとりに決まった担当時間の中で対応するため、その時間を使って利用者と会話したり、状態をじっくり観察したりすることができます。急性期病院では難しかった、利用者一人ひとりとの深い関わりがここにはあります。
往診医が来る日は診察に同行し、状態を報告・記録します。
夜勤のスケジュール(16:30〜翌9:00)
| 16:30 | 申し送り |
| 17:00 | 夕方の巡回(バイタル・処置)・食事介助 |
| 21:00 | 巡視 |
| 23:00 | 排泄交換 |
| 1:00 | 巡視 |
| 3:00 | 排泄交換 |
| 5:00 | 巡視 |
| 6:00 | 起床・食事介助 |
| 8:30 | 申し送り・退勤 |
夜勤は静かな時間が多い反面、状態が急変することもあります。少人数で対応するため、判断力と冷静さが求められます。
急変時の対応
利用者の状態が急変した場合、以下の流れで動きます。
| ① 状況確認 |
| ② 管理者へ報告 |
| ③ 担当医へ連絡 |
| ④ 家族へ連絡 |
| ⑤ 必要に応じて救急搬送の手配 |
ホスピス型施設では「積極的な治療より穏やかな最期を」という意向の利用者が多いため、救急搬送の判断は慎重に行います。本人・家族の意向を事前に確認しておくことが重要です。
看取りのリアル
見極めが全て
状態が変化してきたタイミングで家族に連絡しますが、この見極めが非常に重要です。連絡が遅れると、家族が最期に間に合わないことになります。
急激な変化で間に合わないケースはゼロではありません。だからこそ、日頃から家族と状況をすり合わせておくことが大切です。「いつどうなってもおかしくない状態です」という説明を事前にしっかり行っておくことが、双方にとって後悔のない看取りにつながります。
家族が席を外したタイミングでご逝去することがある
家族を呼んでも、同じような状態が続いたまま時間が経過するケースもあります。状態が変わらないことで、付き添っていた家族が席を外すことがありますが、この瞬間に亡くなることも少なくありません。
なぜこのタイミングでと思うかもしれませんが、これは珍しい光景ではありません。だからこそ「もしかしたら最期に立ち会えなくなる」ということを、事前に家族へ伝えておくことが重要です。
看取りと向き合うということ
看取りを重ねると、人の死に対する感覚がどこかバグっていきます。
悪い言い方をすれば、「慣れ」です。本来、人の生死はこの上なくデリケートなものであるはずなのに、何度も経験するうちにその重さが薄れていく感覚が生まれます。
でも、考えてみてください。その利用者が生きてきた時間は、その人だけのものです。家族にとっても同じで、大切な人を亡くすということは、他人の死を見聞きするときとは次元の違う痛みがあります。その深さは、当事者にしかわからないものです。
その痛みの底にどれだけ寄り添えるか。慣れが積み重なるほど、その感度は鈍くなっていきます。だからこそ、何度目の看取りであっても、目の前の利用者と家族にとってそれは初めての、たった一度きりの別れだということを忘れてはいけません。
それが、ホスピスで働く看護師に求められる姿勢だと思っています。
私がこの仕事を続ける理由
精神的に負荷がかかる場面が多い仕事です。それでも続けられるのは、利用者やご家族からいただく言葉があるからです。
「ここに来てよかった」「本人がいつも、ここのスタッフはよくしてくれるって言っていました」
ご逝去後にそんな言葉をいただいたとき、この仕事の意味を改めて感じます。やりがいというより、自分がここにいる理由を確認できる瞬間です。
まとめ
ホスピス型施設の1日は、急性期病院とは大きく異なります。医師が常駐しない分、医療的な判断は看護師が担う場面が多く、その責任は決して軽くありません。
看取りの見極めや家族対応など、簡単ではない場面も多くあります。慣れてはいけないと思いながら、それでも何度もその場面に立ち会う。その積み重ねの中で、利用者やご家族からいただく言葉が、この仕事を続ける力になっています。
ホスピスへの転職を考えている方に、少しでもリアルな姿が伝わっていれば嬉しいです。

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