看護師の夜勤がきつい5つの理由|夜勤を減らしても収入を落とさない方法

夜勤明けの帰り道、「いつまでこれ続けるんだろう」とぼんやり考えたことはありませんか。 私が三次救急の病棟にいた頃、夜勤はいつも慌ただしかった。ナースコール、急変対応、緊急入院の受け入れが続いて仮眠なんて取れない日も珍しくなく、朝のカンファレンスが終わる頃には頭も体もまともに動かない。帰宅しても眠れず、気づけば夕方。「休んだはずなのに何も回復してない」——あの感覚は、夜勤をやっている人なら分かると思います。 それでも夜勤を続ける理由は単純で、やめたら給料が下がるから。ただ、私自身は今、夜勤なしで病院時代より収入が上がっています。夜勤を続ける以外にも道はある、と実感しています。 この記事では、夜勤がきつい理由を整理したうえで、収入を落とさずに夜勤から離れる方法をお伝えします。

▼「給料が安い」と感じている方はこちら [内部リンク:看護師の給料はなぜ安い?辞めずに年収を上げる3つの方法]

夜勤がきつい5つの理由

① 生活リズムが壊れる

日勤→夜勤→夜勤明け→休み→日勤。冷静に考えると、これは普通の人間がする生活ではありません。ひどいと日勤が3回続いた翌日にそのまま夜勤、なんてシフトもあります。長日勤が混ざるとさらにきつい。 体がいつ寝ていつ起きればいいのか分からなくなるのも当然です。夜勤前に寝ておこうとしても眠れない、明けで帰っても変な時間に目が覚める。休日は回復に消えて、「何もしてないのに疲れてる」がデフォルトになっていきます。 私の場合は肌荒れがひどくなりました。働き始めたストレスもあったとは思いますが、生活リズムの乱れが一番の原因だったと感じています。睡眠障害や便秘、慢性的なだるさが出る人も少なくありません。 厄介なのは、こうした不調が「夜勤をやっている以上は仕方ない」で片づけられがちなこと。原因が勤務形態そのものにある以上、個人の努力で完全に防ぐのは難しいのが現実です。

② 少人数で急変も緊急入院も全部来る

日勤でも忙しいのに、夜勤になると看護師は一気に2〜3人まで減ります。それなのに患者の数は変わりません。 ナースコール、巡回、点滴管理、記録。これだけでも手が回らないのに、急変や緊急入院が重なると一気に戦場になります。私は三次救急にいた頃、一晩で緊急入院を4件受けたことがあります。1件の入院処理だけでもバイタル測定、ルート確保、指示受け、家族対応、記録と膨大な業務量なのに、それが4件。忙しすぎて途中から笑えてきました。 そこに既存の患者の不穏まで重なると、もうインシデントレポート待ったなしです。「手が足りないのに仕事だけ増える」という状況へのイライラは、夜勤をやったことがある人なら共感できるのではないでしょうか。

③ 「仮眠」とは名ばかりの休憩時間

休憩の時間自体はあります。ただ、仮眠を取ろうにも体が休まらない。そもそも眠れないという人も多いのではないでしょうか。私も夜勤中は寝付けなくて、目を閉じることすらしませんでした。 リーダーをやっていると後輩から薬の確認や入院の連絡が入ることもあり、気が休まらないのも大きい。忙しい日はそもそも休憩に入れないまま朝を迎えることもあります。

④ 夜勤前の憂鬱、明けの虚無

きついのは勤務中だけではありません。夜勤前の日中がすでにしんどい。 「今日夜勤だ」と思うだけで朝から気が重い。昼間に寝ておきたいのに眠れず、かといって出かける気にもならない。何をしても中途半端なまま出勤の時間が来る、あの感じが地味にきついです。 明けも明けで、疲れているのに変に目が冴えて眠れなかったり、寝たら寝たで夕方まで潰れたり。「今日一日なにしてたっけ」で終わる休みが増えていきます。 夜勤そのものは月に数回でも、前後を含めると生活の中で夜勤に支配される時間はかなり長い。これが積み重なると、じわじわと気力を削られていきます。

⑤ 家族や友人との時間がすれ違う

夜勤をやっていると、周りの人と生活の時間帯が合わなくなります。 友人と予定を合わせようにも、「その日夜勤」「明けだから無理」が続くと、だんだん誘われなくなる。家族と暮らしていても、自分が寝ている時間に家族は起きていて、起きている時間に家族は寝ている。同じ家にいるのにすれ違う生活が当たり前になっていきます。 子どもがいる場合はさらに切実です。パートナーが休みならまだいいのですが、仕事の日は夜勤前でも保育園の迎えやご飯の準備をしなければなりません。本来なら寝ておきたい時間に休めないまま出勤することになります。明けの日も同じで、自分は疲れ切っていても子どもの生活は通常通り。近くに頼れる親がいればいいですが、そうでなければほとんど休めないまま次の勤務を迎えることになります。 体力的なきつさは休めば回復しますが、人との時間は取り戻せません。夜勤を続けるかどうかを考えるとき、ここが一番引っかかるという人は少なくないはずです。

「きつくても辞められない」の正体

ここまで読んで「分かる、でもやめられないんだよ」と思った人は多いはずです。その理由はほぼひとつ、給料です。 看護師の年収は夜勤手当に支えられています。2交代の夜勤手当は1回あたり平均約11,000円(日本看護協会 2025年度調査)。月5回入れば約55,000円、年間で60万円以上。これがなくなると考えると、簡単にはやめられません。 逆に言えば、基本給だけで見ると看護師の給料は同年代の他職種と大きく変わりません。「看護師は給料がいい」と言われるのは、夜勤や残業の手当を含んだ数字です。つまり、体を削って上乗せしている分が「給料がいい」の正体でもあります。 「夜勤をやめたら生活できない」と感じるのは自然なことです。ただ、本当に夜勤以外に収入を維持する方法がないのかは、一度立ち止まって考えてみる価値があります。

▼看護師の給料構造を詳しく知りたい方はこちら [内部リンク:看護師の給料はなぜ安い?辞めずに年収を上げる3つの方法]

夜勤を減らしても収入を落とさない3つの選択肢

① 夜勤なしで稼げる職場に移る

夜勤がない職場=給料が下がる、とは限りません。 まず同じ病院で探すなら、基本給が高い病院への転職があります。病院によって基本給の設定にはかなり差があるので、夜勤をやめて多少下がっても、劇的に収入が落ちるのを防げる場合があります。 稼ぎという点では、訪問看護や介護施設の方が可能性があります。仕事内容も病棟と重なる部分が多く、経験をそのまま活かせる。日勤のみで病棟時代と同水準かそれ以上を出している求人も、探せば見つかります。 思い切って美容クリニックや企業看護師といった畑の違う職場に目を向けるのもひとつの手です。仕事内容は変わりますが、夜勤なしで同水準以上を狙える求人もあります。

▼病院以外の働き方を詳しく知りたい方はこちら [内部リンク:看護師の病院以外の転職先6選|給料と働き方で選ぶ]

② 管理職を目指す

役職に就けば、夜勤をしなくても基本給のベースが上がります。 主任で月1〜2万円、師長なら月4〜5万円の役職手当がつきます。師長まで上がれば年収ベースで50〜60万円の上乗せになるので、夜勤手当がなくなっても収入を維持できる計算です。 私自身、今は管理職として夜勤なしで働いていますが、病院時代より収入は上がっています。もちろん管理職には管理職の大変さがありますが、少なくとも生活リズムは人間らしくなりました。 すぐに役職がつくわけではないので、長期的な選択肢にはなります。ただ、「夜勤をやめたら稼げない」という前提を崩すひとつの道として、頭に入れておく価値はあります。

③ 余裕を作って副業で補う

夜勤をやめると収入は下がるかもしれません。ただ、体力と時間に余裕が生まれます。その余裕が、別の収入につながることがあります。 夜勤をやっていた頃は、明けの日はひたすら寝て、休日も回復に消えていました。「何かやりたい」と思っても、そんな気力は残っていない。ところが夜勤から離れると、不思議と「何かやってみようかな」という気持ちが出てくる。私がこうして記事を書いているのも、仕事に余裕が生まれたからです。 看護師の資格や知識を活かせる副業は意外とあります。医療系の記事執筆や監修、健康相談など、体を使わずに自分のペースでできるものです。ただし、こうした仕事はいきなりできるわけではなく、準備や下積みの期間が必要です。その下積みを始めること自体、余裕がなければできません。夜勤で消耗し切っている状態では、スタートラインにすら立てないということです。 夜勤手当を失う代わりに、健康な体と自由な時間を手に入れる。人によってはそちらの方がずっと価値があるはずです。

夜勤がしんどくなったときにできること

夜勤をやめる決断がすぐにできなくても、今の状態を少しでも楽にする方法はあります。

夜勤回数を減らす交渉をする

師長やリーダーに「月の夜勤回数を減らしたい」と相談するのは、思っているほどハードルが高くありません。人員の都合で難しいこともありますが、言わなければ始まらない。回数がひとつ減るだけでも、体の回復は変わってきます。

夜勤免除制度を知っておく

小学校入学前の子どもを育てている場合、育児・介護休業法に基づいて深夜勤務(22時〜5時)の免除を申請できます。1回の請求で1〜6か月間、申請回数に制限はありません。制度の存在自体を知らない人も多いので、該当する方は一度確認してみてください。

参考:深夜業の制限制度(厚生労働省)

体の使い方を見直す

夜勤前の過ごし方、食事のタイミング、明けの日の睡眠の取り方。長く夜勤を続けている人ほど自分なりのルーティンができていると思いますが、体がきつくなってきたなら、一度見直してみるのもひとつです。合わなくなっているやり方を惰性で続けていることは意外とあります。

まとめ

夜勤がきついと感じるのは、甘えではありません。生活リズムが壊れる働き方を続けていれば、体がしんどくなるのは当然です。 「でも夜勤やめたら稼げない」——その気持ちはよく分かります。ただ、夜勤手当以外にも収入を維持する方法はあります。職場を変える、管理職を目指す、余裕を作って副業を始める。どれも今日すぐにできることではないかもしれませんが、選択肢があると知っているだけで、見え方は変わります。 体を壊してから動くより、まだ動けるうちに考え始めた方がいい。この記事がそのきっかけになれば嬉しいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました